ふるさと納税のやり方と年末までの流れ【2026年】|控除上限・ワンストップ特例
公開 2026年10月17日 ・ 確認日 2026年10月17日 ・ 約11分 ・ 文:koyo
ふるさと納税は、年内(1月〜12月)にした寄附が、その年の税金の計算に入る仕組み。だから10月から12月は駆け込みの季節です。この記事では、仕組み、控除上限額の考え方、ワンストップ特例と確定申告、2026年の年末の期限、制度のルール変更、そして2026年7月28日の熊本地震を受けた災害支援の寄附まで、総務省や国税庁、熊本県内の自治体の公式ページで確認できた内容をもとに整理しました。
ふるさと納税の仕組み:寄附額から2,000円を引いた額が控除される
ふるさと納税は、自分で選んだ自治体に寄附をすると、寄附額のうち2,000円を超える部分が、所得税と個人住民税から控除される制度です(国税庁の説明より)。この2,000円は、1回ごとではなく、1年間(1月〜12月)の寄附の合計に対して必要になるものと、総務省のQ&Aに書かれています。寄附できる自治体の数に制限はありませんが、控除される額には、収入などに応じた上限があります。
たとえば上限の範囲内で3万円寄附した場合、単純計算では3万円から2,000円を引いた2万8,000円が控除の対象になります。実質の自己負担は2,000円、というイメージです(実際の控除額は所得や他の控除の状況で変わります)。
控除上限額の考え方と調べ方
ふるさと納税でいちばん大切なのが、控除を受けられる上限額(控除上限額)です。総務省のQ&Aによると、上限は寄附する人の収入や他の控除の状況によって決まり、具体的な計算は、お住まいの市区町村の住民税担当に問い合わせてください、とされています。
総務省のページには、控除額の計算の仕組みも載っています。大まかな構造は、次の通りです。
| 所得税からの控除 | (寄附額-2,000円)×所得税の税率。対象になる寄附額は総所得金額等の40%が上限 |
|---|---|
| 住民税(基本分) | (寄附額-2,000円)×10%。対象になる寄附額は総所得金額等の30%が上限 |
| 住民税(特例分) | (寄附額-2,000円)×(100%-10%-所得税の税率)。住民税の所得割額の2割が上限 |
特例分が所得割額の2割を超えると、3つの控除を合計しても全額が控除されず、実質の負担が2,000円を超えると説明されています。つまり、上限を超えて寄附すると、超えた分は自己負担になります。
- 目安を知るには、各ポータルサイトや自治体が出しているシミュレーターが便利です(あくまで概算)。
- 確実に知りたいときは、源泉徴収票(会社員の場合)や住民税の決定通知書を手元に、市区町村の窓口で相談します(自治体によっては上限額を答えられない場合があると総務省のページに書かれています)。
- 住宅ローン控除や医療費控除などを受けている人、副業や年収の変動がある人は、上限が下がることがあります。余裕を持った金額にしておくと安心です。
寄附から控除までの流れ
- 寄附先と返礼品を選び、控除上限額の範囲で申し込む(ポータルサイトや自治体のサイトから)
- 支払い(クレジットカード決済のほか、自治体によって銀行振込やコンビニ払いなど)
- 返礼品と、寄附金の受領証明書が届く(確定申告で使うので、大切に保管)
- 手続きを選ぶ:ワンストップ特例か、確定申告か
- 翌年:所得税の還付(確定申告の場合)と、翌年度の住民税の減額で控除される
控除は、確定申告をした場合は「その年の所得税の還付」と「翌年度の住民税の減額」、ワンストップ特例の場合は、所得税の分も含めて「翌年度の住民税の減額」で受けられる、と総務省のページに書かれています。
ワンストップ特例制度:条件と申請期限
1.条件
- ふるさと納税以外に、確定申告や住民税の申告をする必要がない給与所得者などであること
- 1年間のふるさと納税先が5団体以内であること
- 寄附をしたそれぞれの自治体に申請すること
2.申請期限
申請書の提出期限は、寄附をした年の翌年1月10日必着とする自治体が一般的です。熊本市は「ワンストップ特例申請書を翌年1月10日までに(必着)」と案内していて、益城町も「寄附をした年の翌年1月10日必着」としています。
3.注意したいポイント
- ワンストップ特例を申請しても、確定申告をした場合は、ワンストップ特例の申請は無効になります。確定申告では、特例の分も含めてすべての寄附を申告する必要があります(国税庁の説明)。
- ワンストップ特例が適用されると、所得税からの控除はなく、その分も含めて全額が翌年度の住民税から控除されます(総務省)。
- 申請後に、住所や氏名が変わった場合は、変更の届け出が必要です。益城町は、翌年1月1日までに変わったときは変更書類(またはオンラインでの変更)を提出するよう案内しています。
- マイナンバーカードを使ったオンライン申請は、令和4年中の寄附から一部の自治体で可能になった、と総務省のページに書かれています。対応状況は自治体に確認を。
確定申告で控除を受ける場合
ワンストップ特例の条件に当てはまらない人(6団体以上に寄附した、副業や医療費控除などで確定申告が必要な人など)は、確定申告が必要です。総務省のページでは、寄附をした翌年の3月15日までに、住所地を管轄する税務署に確定申告をするとされています。確定申告のときには、寄附した自治体が発行する寄附の証明書・受領書や、払込控えが必要です。
- 確定申告書は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作れます。提出はe-Taxか、税務署への郵送・持参です。
- 国税庁の説明によると、確定申告書の第二表に寄附先と金額を書くほか、住民税のところにも記入しないと住民税の控除が受けられないことがあります。
- 年末調整で所得税が0円になっていて、住民税からだけ控除を受ける人は、住民税の申告書をお住まいの市区町村に出す必要があります(総務省)。
2026年の年末の期限:12月31日と、サイトごとの締め切り
年内の寄附かどうかは、実際の決済や入金のタイミングで決まります。自治体の案内では、クレジットカード決済は12月31日の23時59分までに完了したものをその年の寄附とする例が多く、たとえば武雄市の令和7年分の案内では、カード決済は12月31日23:59まで、銀行振込・コンビニ払いは12月30日までの入金、と書かれていました。また、銀行振込などを選ぶ場合は、ネット・FAX・メールの申し込みを12月20日までとしていました。
- 締め切り時刻は、自治体やポータルサイトによって違います。「12月31日まで」と思い込まず、申し込むサイトの年末年始のお知らせを必ず読みましょう。
- カードの利用限度額や有効期限で決済が通らないと、年内の寄附にならないことがあります。年末ギリギリは避けるのが安心です。
- 返礼品の発送は年明けになることがあります。益城町は、年末の寄附分の申請書の発送が年明けになる場合があると案内しています。
- 12月に寄附した場合、ワンストップ特例の申請書は、書類が届いてからでは1月10日に間に合わない場合があります。
ルール変更:2025年10月のポイント禁止と、2026年10月からの見直し
1.2025年10月1日:ポイントなどを付与するサイト経由の募集が禁止に
総務省は、2024年6月28日付けで、ふるさと納税の指定基準(告示)とQ&Aを改正しました。寄附に伴って、寄附者にポイントなどの経済的利益を付与する事業者を通じた寄附の募集を行わないこと、というルールで、2025年(令和7年)10月1日以後に始まる指定対象期間から適用されました。総務省の2026年9月25日付けの通知でも、令和7年10月1日以降、経済的利益を提供する者を通じた募集は禁止されていて、違反した自治体は指定取消しの対象になり得る、と書かれています。
同じ通知では、禁止される経済的利益は、ポータルサイトが付与するポイントに限らないとされています。返礼品とは別に、追加で物品などを提供すると表示して募集した場合も、基準に違反するおそれがあるとのことです。寄附をする人にとっては、「サイトのポイントで得をする」という選び方が使えなくなり、返礼品や使いみち、自治体の取り組みで選ぶ時代になっています。
2.2026年10月1日:新しい指定期間と、自治体側の基準の見直し
2026年10月1日からは、令和8年指定対象期間(2026年10月1日〜2027年9月30日)が始まりました。総務省の通知(2026年9月25日付け、総税市第108号)や2026年3月24日付けの資料から、確認できた主な見直しは次の通りです。
- 寄附金活用基準:寄附金のうち、自治体が事業に使える額(寄附金活用可能額)の割合を段階的に引き上げます。令和8年指定は52.5%以上で、令和9年指定は55%、令和10年指定は57.5%、令和11年指定以降は60%と示されています。あわせて使いみちの公表も求められます。
- 地場産品基準の明確化:区域外の材料を使う返礼品について、価値の過半が区域内の工程で生じていることの証明と、その内容の公表が必要になります。
- 募集費用の透明化:1支払先あたり100万円以上の支払いは、自治体のウェブサイトで公表します。
- 指定取消しの見直し:取消し後は最大3年のあいだ指定を受けられないと通知に書かれています。また、2026年3月の資料では、最大5年前の違反事案も取消しの対象にできるようにする見直し(令和8年10月1日施行)が示されています。
どれも主に自治体側のルールで、寄附をする人の控除の計算や手続きは変わりません。ただし、基準に合わなくなった返礼品は掲載を終えることがあり、同じ品が来年も出ているとは限りません。気に入った返礼品は、早めに申し込むのが安心です。
3.今後の予定:特例控除額の定額上限(案)
総務省の2026年3月24日付け資料では、高所得者の住民税の特例控除額に、給与収入1億円相当で193万円という定額上限を設ける案が示され、令和9年(2027年)の寄附分から適用するとされていました(案の段階の資料)。一般的な給与所得者の控除には直接関係しませんが、最終的な内容は総務省の公式情報で確認してください。
令和8年(2026年7月)熊本地震:災害支援の寄附
2026年7月28日に発生した熊本地震では、益城町で震度6強が観測され(ふるさと納税ポータルの災害支援ページ)、熊本市も大きな被害を受けた、と熊本市の公式サイトに書かれています。支援のしかたには、いくつかの種類があります。
1.義援金と寄附金はどう違う?
熊本市のページでは、義援金は被災者の支援、寄附金は復旧・復興のためのものとして分けて案内しています。氷川町のページでも、義援金は被災した住民の生活支援や再建のために被害の程度に応じて配られ、寄附金とふるさと納税は災害復旧と被災者支援に使われる、と説明されています。
2.熊本市:ふるさと納税サイトの災害支援寄附
熊本市は、ふるさと納税専用サイト(楽天ふるさと納税、さとふる、ふるさとチョイス、ふるなび)から災害支援寄附を受け付けています。災害支援寄附には、お礼の品はありません。銀行振込や郵便振替で寄附したい場合は、熊本市ふるさと納税サポートセンターに連絡する方法です。他の自治体が熊本市に代わって寄附を受け付ける代理寄附を希望する場合は、市に連絡してほしい、とも案内されています。また、熊本市は、ふるさと納税サイトで、クレジットカードの不正利用による寄附の事例が起きているとして、身に覚えのない受領証明書が届いたらサポートセンターに連絡するよう注意を呼びかけています。
3.益城町:代理寄附(愛媛県新居浜市)
ふるさと納税ポータルの災害支援ページによると、益城町への支援は、愛媛県新居浜市が代理で寄附を受け付けています。受付期間は2026年8月7日〜12月31日、決済はクレジットカード、最低額は2,000円で、返礼品は送られません。代理寄附は、被災した自治体が自分で寄附を集めるのが難しいときに、他の自治体が代わって受け付ける仕組みです。益城町の公式サイトでは、義援金を2026年11月30日まで(確認日時点)、銀行振込・現金書留・窓口で受け付けています。
4.熊本県・氷川町ほか
熊本県は、義援金の受付期間を2026年7月29日〜2027年3月31日(予定)として、銀行振込や県内の募金箱などで受け付けています。熊本市の義援金も、受付が2027年3月31日まで延長されています(熊本市の公式ページ)。氷川町は、義援金・寄附金・ふるさと納税を受け付けています(2026年10月6日更新のページ)。受付状況や期限は変わることがあるので、寄付の前に必ず各自治体の公式ページを確認してください。
5.災害支援の寄附も控除の対象?
益城町と熊本県の公式ページでは義援金が、氷川町の公式ページでは義援金・寄附金が、個人の寄附金控除の対象になると案内されています(振込の控えや受領書を、確定申告などの証明書類として使えます)。氷川町のページは、ふるさと納税も含めて寄附金控除の取り扱いを受けられると書いています。熊本市は義援金の寄附金控除について、確定申告のときに振込金受取書などを示すよう案内しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 寄附できる回数や自治体の数に制限はありますか?
総務省のQ&Aによると、ふるさと納税を行える自治体の数に制限はありません。ただし、ワンストップ特例を使えるのは5団体以内の場合に限られ、控除額には収入に応じた上限があります。
Q. 1月に寄附した分は、いつの税金に反映されますか?
税の軽減は1月〜12月の年単位です。たとえば1月に寄附した分は、その年の12月までの1年間の所得に対する課税の中で取り扱われます。(総務省のQ&Aより)
Q. 家族の名義でも大丈夫ですか?
総務省のQ&Aでは、寄附金控除を受けるには、税金を納めている本人が、本人名義で寄附をする必要があるとされています。
Q. ワンストップ特例を出したあとに確定申告をしたらどうなりますか?
確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は取り消されたものとして扱われ、すべての寄附を確定申告に含める必要があります(国税庁の説明)。
Q. 熊本市に住んでいる人は、熊本市への寄附で返礼品がもらえますか?
熊本市の公式サイトでは、住所が熊本市にある人からの寄附には、法令等の定めにより返礼品を送れないと案内されています。災害支援寄附には、そもそもお礼の品がありません。
Q. 返礼品はどうやって選べばいいですか?
ジャンルや量、発送時期で選ぶのがおすすめです。熊本の返礼品の選び方は、「熊本のふるさと納税 返礼品の選び方」の記事で、ジャンル別に整理しています。
出典・参考情報
- ・総務省 ふるさと納税のしくみ(税金の控除について)
- ・総務省 ふるさと納税 よくある質問
- ・総務省 ふるさと納税など個人住民税の寄附金税制
- ・国税庁 No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)
- ・総務省 ふるさと納税制度の適正な運用について(令和8年9月25日 総税市第108号)
- ・総務省 ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)令和8年3月24日
- ・総務省 ふるさと納税の指定基準の見直し等(令和6年6月28日)
- ・熊本市 「熊本市ふるさと応援寄附金(ふるさと納税)」について
- ・熊本市 令和8年熊本地震に係る寄附金について
- ・熊本市 令和8年熊本地震に係る義援金および寄附金の受付について
- ・熊本市 令和8年熊本地震に係る義援金の受付について
- ・熊本県 令和8年熊本地震に係る義援金の受付について
- ・益城町 義援金を受け付けます【令和8年熊本地震】
- ・益城町 ふるさと納税ワンストップ特例制度について
- ・氷川町 令和8年熊本地震に係る「義援金」「寄附金」「ふるさと納税」の受付について
- ・ふるさとチョイス 災害支援 令和8年7月 熊本地震(益城町・新居浜市の代理寄附)
- ・武雄市 年末年始の寄附について(令和7年分)