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熊本で家を建てたら入る火災保険・地震保険|熊本地震を経験した県での選び方

県内全域 ・ 公開 2026年10月17日 ・ 確認日 2026年10月17日 ・ 約9分

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家を建てたら、住宅ローンの契約とあわせて火災保険に入るのが一般的です。ただし、火災保険だけでは地震による損害は補償されません。2016年に続き2026年7月にも大きな地震を経験した熊本では、地震保険をどう考えるかが特に大切です。この記事では、日本損害保険協会や財務省などの公的な資料をもとに、火災保険と地震保険の基本的な仕組みと、選ぶときのチェックポイントを整理します。特定の保険会社をすすめるものではありません。

熊本 火災保険の補償範囲|風災・水災はどこまで?

日本損害保険協会の案内によると、住まいの火災保険には主に「住宅火災保険」と「住宅総合保険」があります。補償される範囲は次のとおり異なります(確認日時点)。

住宅火災保険火災、落雷、破裂・爆発、風災・ひょう災・雪災(基本的な補償のみ)
住宅総合保険上記に加えて、水災、車の衝突や物の落下、水道管の水漏れ、盗難など、より幅広い損害

商品によっては、風災・ひょう災・雪災や水災の損害で自己負担額(免責)が設定されていることがあります。保険会社ごとに商品の名称や補償の選び方は異なるので、実際の補償内容は契約書類(重要事項説明書)で確認してください。

1.風災(台風・強風)への備え

熊本は台風の通り道になることもあります。屋根瓦が飛んだり、強風で物が飛来して外壁が壊れたりした損害は、一般的に風災として補償の対象になります。ただし、経年劣化による傷みは対象外になるのが通常です。損害が出たときにすぐ連絡できるよう、保険会社や代理店の連絡先を控えておきましょう。

2.水災は「必要かどうか」を立地で判断する

水災は洪水や高潮などによる損害で、住宅総合保険では補償の対象ですが、住宅火災保険では対象外です。水災補償を付けるかどうかは、敷地の浸水リスクによって判断が分かれます。自治体のハザードマップで、敷地の浸水想定を確認してから決めるのが基本です。

損害保険料率算出機構が2023年6月に届け出た火災保険の参考純率の改定では、水災の料率が地域のリスクに応じて5区分に細分化されました。つまり、水災の保険料は、どの区分の地域に建っているかによって差が出る仕組みになっています。実際の保険料は各保険会社が決めるため、同じ家でも会社ごとに差があります。

火災保険では地震の損害は補償されない

日本損害保険協会は、令和8年熊本地震に関するお知らせの中で、火災保険は地震・噴火・津波が原因の火災を補償せず、地震による火災が延焼・拡大した場合も対象外であると説明しています。この場合は地震保険の対象になります(確認日時点)。

地震保険の仕組み|保険金額は火災保険の30〜50%

財務省の資料によると、地震保険は居住用の建物(マンションの共用部分を含む)と家財が対象で、火災保険とセットで加入します。すでに火災保険に入っている場合は、契約の途中からでも付けられます。

保険金額火災保険の保険金額の30%〜50%の範囲で設定。上限は建物5,000万円、家財1,000万円
保険期間1年の短期契約と、2年〜5年の長期契約がある
支払い方式保険会社の査定で損害の程度(全損・大半損・小半損・一部損)が決まり、保険金額の一定割合が支払われる。一律の見舞金はない

つまり、地震保険は「建て直し費用を満額まかなう保険」ではなく、「生活再建の支えとなる保険」と位置づけられます。たとえば火災保険の保険金額が2,000万円なら、地震保険の保険金額は600万〜1,000万円の範囲で設定することになります(当サイトの計算例。実際の上限は契約内容によります)。

損害区分と支払われる割合

2017年1月1日以降に保険が始まる契約では、損害の程度は次の4つに区分されます。建物の認定は、土台・柱・壁・屋根などの主要構造部の損害額が建物の時価に占める割合などで判定されます(財務省の資料による。時価額が限度になります)。

全損主要構造部の損害が時価の50%以上など → 保険金額の100%
大半損損害が時価の40%以上50%未満など → 保険金額の60%
小半損損害が時価の20%以上40%未満など → 保険金額の30%
一部損損害が時価の3%以上20%未満、または床上浸水など → 保険金額の5%

熊本県の地震保険料の目安と決まり方

地震保険料は、建物の所在地(都道府県)と構造によって決まります。財務省が公表している基本料率表(保険始期が令和4年10月1日以降の契約)では、熊本県は保険金額1,000万円・保険期間1年あたり、イ構造(主として鉄骨・コンクリート造など)が7,300円、ロ構造(主として木造など)が11,200円です(割引適用前の基本料率。確認日時点)。耐火建築物・準耐火建築物・省令準耐火建物などは、イ構造になります。

たとえば木造(ロ構造)で地震保険金額を1,000万円にした場合、割引がなければ年間の保険料は1万1,200円という計算になります(上記の基本料率からの当サイトの計算で、実際の保険料は保険会社・契約内容・割引によって変わります)。

  • 免震建築物割引:50%
  • 耐震等級割引:等級3で50%、等級2で30%、等級1で10%
  • 耐震診断割引:10%
  • 建築年割引:1981年(昭和56年)6月1日以降の新築で10%

これらの割引は重複して使えません(財務省の資料による)。耐震等級が高い家は、地震保険料も安くなる可能性があります。家を建てる段階で、耐震等級と地震保険料の割引の関係を住宅会社に確認しておくとよいでしょう。

地震保険料控除で税金が軽くなる

地震保険の保険料は、所得税では最高5万円、住民税では最高2万5千円を、総所得金額等から差し引ける「地震保険料控除」の対象です(財務省の資料による)。年末調整や確定申告で手続きが必要です。控除の対象となる範囲や必要書類は、税務署や税理士に確認してください。

火災保険の保険料改定と保険期間のこと

損害保険料率算出機構のページによると、火災保険の参考純率は2023年6月21日に改定が届け出られ、同月28日に適合性審査の結果が通知されました。同機構の案内では、住宅総合保険の参考純率は全国平均で13.0%引き上げられました。これは保険会社が保険料を決めるときの目安で、実際の保険料の改定幅は会社や地域・建物によって異なります。

同機構のページでは、2023年6月以降の火災保険の参考純率の改定は確認日時点では掲載されていません。ただし、保険会社が独自に保険料を見直すことはあるため、新規契約や更新の際は、最新の見積もりを取って確認しましょう。保険期間の上限や長期契約の割引の有無は商品ごとに異なります。更新のたびに保険料が変わる可能性があることも、頭に入れておきたいポイントです。

熊本地震で地震保険はどう使われたか

1.2016年(平成28年)熊本地震

熊本地方気象台によると、2016年4月14日21時26分にM6.5(益城町で震度7)、約28時間後の4月16日1時25分にM7.3(益城町と西原村で震度7)の地震が発生しました。ひとつの地震活動で震度7が2回観測されたのは、気象庁が震度の観測を始めて以来初めてです。熊本県内では住家の全壊が8,657棟、半壊が34,489棟、一部破損が155,239棟と整理されています。

熊本日日新聞の報道(日本損害保険協会の発表)によれば、2016年熊本地震の地震保険の支払いは、本震の約1か月後(5月16日時点)で6万6,573件・1,162億5,677万円、2017年3月末時点で21万1,478件・3,533億2,059万円でした。支払いが長期にわたったことがわかります。

2.2026年(令和8年)7月の熊本地震

2026年7月28日16時27分ごろ、熊本県熊本地方でM7.1(速報値)の地震が発生し、宇城市と氷川町で震度7を観測しました(気象庁は「令和8年熊本地震」と命名したと報じられています)。日本損害保険協会によると、地震保険は27社の合計で、8月28日時点の支払いが2万8,838件・225億7,466万円でした。県内の受付件数は10万3,306件で、調査が完了したのは3万3,277件です。協会は「調査や相談が続いており、支払件数や金額はさらに増える」と説明しています(熊本日日新聞の報道による。数字は時点のもので、その後変わっています)。

日本損害保険協会は、お知らせの中で、災害救助法が適用された熊本県内の21市町村(熊本市、合志市、菊池郡大津町、菊池郡菊陽町などを含む)の契約者を対象に、火災保険などの継続手続きや保険料払い込みを2027年1月末日まで猶予する特別措置をとっていると案内しています(2026年9月10日更新の内容。確認日時点)。

3.保険金を請求するときの注意点

  • 地震保険の請求がまだの場合は、できるだけ早く契約している代理店または保険会社に連絡する。
  • 損害保険の保険金請求には、自治体が発行する罹災証明書の提出は不要と協会が案内している(確認日時点)。
  • 「保険が使える」と持ちかけて修理を勧誘する業者や、請求を代行する業者とのトラブルが増えているため、契約前に保険会社へ相談する。
  • 相談先:そんぽADRセンター(03-4332-5241、平日9時15分〜17時)。家屋が流失・焼失して契約の手がかりを失った人は、自然災害等損保契約照会センター(0120-501331)。

加入するときのチェックリスト

  • 火災保険の補償範囲:風災・水災・水漏れなど、どこまで付けるか。水災はハザードマップを見て判断する。
  • 自己負担額(免責)の有無と金額。
  • 地震保険の付帯と保険金額:火災保険の30〜50%の範囲で、生活再建に必要な額を考える。
  • 建物と家財をそれぞれ付けるか:家財の地震保険は別に設定する。
  • 耐震等級・建築年などの割引が適用されるか。
  • 保険期間(短期か長期か)と更新時の保険料の変動。
  • 複数の保険会社・代理店から、同じ条件で見積もりを取る。

よくある質問

火災保険に入っていれば、地震で壊れた家も補償されますか?

いいえ。火災保険は、地震・噴火・津波による損害や、これらが原因の火災を補償しません(日本損害保険協会の案内)。これらに備えるには地震保険が必要です。

地震保険だけ単独で入れますか?

地震保険は、火災保険とセットで契約します。火災保険に入っていれば、契約の途中からでも追加できます(財務省の資料による)。

地震保険の保険金で家を建て直せますか?

地震保険の保険金額は火災保険の30〜50%の範囲で、損害の程度に応じて、その一定割合(全損で100%、一部損で5%など)が支払われます。建て直し費用の全額をまかなう設計にはなっていません。必要な資金は、自己資金や住宅ローンの条件変更なども含めて考える必要があります。

水災補償は付けたほうがよいですか?

敷地の浸水リスクによります。ハザードマップで浸水想定を確認し、保険料との釣り合いを考えて判断しましょう。水災の保険料は、地域のリスクに応じた区分で差が出ます。

地震保険料は年末調整や確定申告で戻りますか?

地震保険料控除を申告すると、所得税では最高5万円、住民税では最高2万5千円を所得から差し引けます。実際に戻る税額は所得によって異なります。

出典・参考情報

2026年10月17日時点で確認した内容です。最新の情報は各公式情報をご確認ください。

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